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受験生のみんなに約束してほしいことがある。聞いてくれ。(受験失敗談①)【前編】

顔を手で覆う女性
By: jazbeck

今まで誰にも語っていなかった事実だ。
でも、受験生にはあの惨劇を繰り返させたくない。

ありのまま起こったことを話すぜ。
ちょっと長くなるが、「馬鹿な野郎だ」と思いながら聞いてくれ。

1998年2月25日、神戸

1998年2月25日、僕は神戸にいた。
震災から数年、街はまだその傷が癒えていなかった。

 

前日、僕は関西学院大学へ進んだ同級生と遊んでいた。
久しぶりに会った彼は垢抜けていた。大学生活を楽しんでいるように見えて、まぶしかった。

 

そう、僕は受験浪人をしていた。

 

現役で地元の公立大学に受かっていたものの、進学しなかった。
理由は彼女がいたから。
バドミントン部だった彼女は照れ屋で、はにかんだときの表情がたまらなくかわいかった。
古臭い表現だが、僕は彼女にぞっこんだった。

 

その彼女は関東の大学に進むことになっていた。
僕は彼女と別れたくなかった。その一心だった。
正直、大学なんてどこでも良かった。

 

でも、僕は家庭の事情で私立大学には行けなかった。

関東近辺の国公立といえば、東大か一橋、東京都立(現、首都大学東京)、横浜国立。
進学校だったから周りの影響で、それらの大学より偏差値の低いところは眼中になかったんだ。

いずれもレベルの高い大学だ。

今の僕には無理だと当時、思った。
だから、浪人した。
そう、当時の僕は主体性なんてゼロに等しかった。

 

浪人すれば東大にだって行けると本気で思っていた。
実質、半年の勉強で大学に受かってるんだ。
完全に天狗になっていた。

今となっては当時の僕に言ってやりたい。
「絶対に無理だ」、と。

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別離は突然に

でも、僕は浪人三か月目で振られたんだ。
笑ってくれ。
理由なんて簡単さ。

 

「待っていられない」

 

そりゃ、そうだ。
近くに来るかどうかもわからない男をそんなに待てるわけがない。

 

涙も出なかった。

いや、強がりはよそう。
風呂場でちょっと泣いた。

 

それで、なぜ神戸大学かって?
彼女の元々の志望校だからさ。
ただ、それだけだった。

 

復讐とか怨恨とか、そういったネガティブな感情は一切なかった。
言葉にするなら、

 

「彼女の夢を叶えてやろう」

 

ってとこか。

ああ、恥ずかしい野郎だ。
今、思い出すだけで悶絶ものだ。
笑ってくれ。

 

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神戸大学までの長く険しい道のり

By: Jason Thien

(写真は本文と関係ありません)

 

話を戻す。
僕は神戸にいた。

 

1998年2月25日、国立大学前期試験の受験日。

 

朝。
吐く息が白かった。

 

阪急神戸線、六甲駅。
周りは受験生であふれていた。

僕は神戸大学行きのバス停を探した。
すぐに見つかった。

 

バスはちょうど出発したところだった。
そのバスは受験生ですし詰め状態だった。
更に、バス停にはまだ多くの受験生らしき若者が待っていた。

 

「これは無理だ」

口中につぶやいた僕は内心少し焦っていた。
左腕に着けたG-SHOCKに視線を落とす。

 

試験開始まで30分ほどあった。
大学までは徒歩で15分から20分。
大学案内の冊子に、そう書いてあった。

 

まだ間に合う。
僕は坂道を歩く受験生の群れに加わった。

 

歩き出して少し経った頃、前を歩く若者二人の会話が一部聞こえた。
「でも、ホウガクブってさ・・・」

 

『あ、この人たちも法学部へ行くんだ。
だったらついて行けばいいんだな。』

そう思った僕はひたすら彼らの後を追った。

 

坂道はどんどん急になっていく。
45度くらいあるんじゃないかと思うほどだ。
冷えていた体が徐々に温まってくる。
厚着をしているせいで、汗が滲む。

 

ふとそれらしきレンガ造りの建物が前方に見えてきた。でもそれは違ったらしい。
遠くに目をやる。建ち並ぶ高層マンションが視界に飛び込んできた。

 

まだなのかと焦れ始めた頃、受験生が吸い込まれるように入って行く門が現れた。
再び、時計に視線をやる。
試験開始、10分前。

 

間に合った。

引き続き、前の二人を追いかけ、キャンパス内を進む。

受験会場らしき建物が見えた。

と、僕はそこで衝撃的な一言を耳にする。

 

 

「工学部受験生は会場に入ってください。間もなく試験が始まります」

 

 

後編に続く

 

 

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